ところがある日、恵さんは、行かないでと叫び続ける犬と猫たちに、ドアをいったんは閉めたものの、お前たちを残して仕事になんて行けるものか。
と、またドアを開けて犬たちの首を抱き締めました。
でもこれからが傑作なのですが、
「なーんちゃって。じゃね。いってくるね」
・・・つまり犬たちを一度は喜ばせておいて、冷たくすることにしたのです。
実は、これには彼女の思いがありました。
ムクのようなことがあっては、耐えられない。
第一、これでは仕事にならないと気付いたのです。
ずっと犬や猫のことばかりが気になるからです。
ペットから自立すること。ペットも自立すること。
これが恵さんがとった選択でした。
犬たちも何度かだまされるうちに、すっかり「またかいな」という気になったらしく、
今までのようにいつまでも泣いていたりはしなくなりました。
仕事に生き、ペットとともに生きる。
恵さんは今もクロとケリー、そして猫3匹と暮らしています。
あ、ご主人がいることをつけ添えておきます。


